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民法の重要判例をマンガで解説! 国家試験対策にチェックチェック♪

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『B型肝炎訴訟』をマンガで解説。予防接種時が除斥期間の起算点になるの?

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『B型肝炎訴訟』解説マンガ1ページ目

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『B型肝炎訴訟』解説マンガ4ページ目

『B型肝炎訴訟』解説マンガ5ページ目


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平成18年6月16日 損害賠償請求事件 最高裁 第二小法廷判決
*実際の事例では、原告は複数います。また、マンガ内の予防接種を受けた年齢、B型肝炎を発症した年齢は架空のものとなります。 

ポイントは? 

 自分の権利が消滅する制度として有名なもので時効制度がありますが、時効制度とは違うものとして除斥期間というものもあります。

 

 除斥期間は、消滅時効とは違い途中で中断することはありませんし、当事者の援用も必要無いというものです。不法行為の損害賠償請求権については、消滅時効は3年となりますが、除斥期間は20年となっていて期間の違いもあるのです。

 

 除斥期間がいつから進行するのかというと、民法にははっきりと「不法行為の時から」と明記されています。この除斥期間のカウントがスタートする地点を起算点と言います。

 

 B型肝炎は幼少時の予防接種を原因とするものがあるのですが、この場合に不法行為とされる行為が何のかを素直に考えれば予防接種をされた時でしょう。というわけで、除斥期間の起算点も予防接種をされた時になるというのが素直な解釈になると思います。

 

 ところが、パン吉さんは何の落ち度も無いのに、予防接種でB型肝炎に感染してしまい、民法を字面通りにそのまま解釈すると除斥期間の経過後にB型肝炎を発症することになっているのです。パン吉さんを救済しようとするのであれば、もう少し柔軟に民法の条文を解釈しても良い気がしてしまうと思います。

 

 判決では、今回のように一定の潜伏期間後に症状が現れる疾病のような損害の場合には、疾病が出たときが除斥期間の起算点になると判断しました。つまり、B型肝炎訴訟の場合で言うと、予防接種をされた時点ではなく、実際にB型肝炎の症状が発生した時点を除斥期間の進行を数えるスタート地点にするということになります。

 

 なお、このB型肝炎訴訟の判決は原告となった当事者だけではなく、他のB型肝炎患者にも大きな影響を与えるものになりました。この判決を元に、他の同様の裁判でも和解が成立して、更にB型肝炎患者に給付金を支給する法律となるB型肝炎特別措置法も出来ることになりました。

 

 そして、B型肝炎特別措置法では除斥期間を経過した患者に対しても、給付金が支払われることが明確にされました(ただし、金額は低額になる)。

 

 ちなみに、仮に予防接種が原因でB型肝炎に感染したけど、発症はしていないという場合の除斥期間の起算点は予防接種時になります。こういったB型肝炎に感染したけど発症はしていない場合を、無症候性キャリアなどと言いますが、B型肝炎特別措置法ではこういったケースでも給付金の補償対象としています。

 

 大手弁護士事務所がB型肝炎について、TVCMを流したりしていますが、これもB型肝炎特別措置法が出来たことにより、被害者の救済をしやすくなったということも関係しているのです。

 

関連条文は?

 

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

第724条  
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

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