平成20年10月10日 預金払戻請求事件 最高裁判所第二小法廷判決
ポイントは?
振込依頼人(泥棒パン田)とその受取人(三毛にゃーこさん)の間にその金銭を受け取るべき、法律関係が無い場合に預金の払い戻しを請求することが権利の濫用に当たるかどうかが争われた裁判です。
この裁判では払い戻しを請求する人(三毛にゃーこさん)が犯罪行為に関わっているような事情も無いことから、権利の濫用とは言えないと判断されました。
マンガを見れば三毛にゃーこさんは被害者(泥棒との関係で言えば)なのは分かりますよね。しかし、三毛にゃーこさんは自分の口座に振り込まれたお金が自分のお金ではないことを知っている訳です。
似たような事例で刑事事件となりますが、誤った振込であることを知りながら預金を引き出した場合は、銀行に対する詐欺罪が成立するという判例もあったりするのです。
今回紹介した判決は裁判所が三毛にゃーこさんの立場や状況を、慎重に検討して「権利の濫用ではない」と判断したということです。
関連条文は?
第1条
1.私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2.権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3.権利の濫用は、これを許さない。