昭和35年3月18日 売掛代金請求事件 最高裁 第二小法廷判決
*実際の事例では、パン田さんは第一審ではポチさんの命令された暴漢に襲われたことを根拠として損害賠償債権と売買代金の残債務を相殺するように主張していました。マンガのような主張は控訴審からのものとなります。
ポイントは?
食品衛生法はあくまでも行政法規として取締をすることを目的しています。これを、取締法規と言います。それに対して、私人間の契約を強制するものとして強行法規があります。
単なる取締法規である食品衛生法上の許可を得ていないからといって、私人間の契約(この事例では食肉の売買契約)が無効となるのかどうか?が争われた事案です。
結論は至極全うなもので、取締法規に違反したとしても食肉の売買契約は有効だというものでした。
取締法規に違反していたとしても、契約(法律行為)が当然に無効となる訳ではないという結論をしっかり覚えておきましょう。なお、例外的に民法90条(公序良俗違反)を理由に契約を無効とされる例もありますので、ケースごとに違いを明確にしておくことも重要です。
関連条文は?
<食品衛生法>
第51条
都道府県は、飲食店営業その他公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第五号 に規定する食鳥処理の事業を除く。)であつて、政令で定めるものの施設につき、条例で、業種別に、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない。
第52条
前条に規定する営業を営もうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。