大正10年6月2日 損害賠償請求事件 大審院 第二民事部判決
ポイントは?
パン田さんはまず、『塩釜レール入』という商慣習は指定の場所で、商品を先に引き渡すという意味ではなく、引き渡す場所と商品価格を確定する基準になるというルールだと主張しました。
しかし、このパン田さんの主張は認められず、次にパン田さんは『塩釜レール入』のような商慣習があったとしても、その商慣習に従うという意思があったことをカラス田さんが立証する必要があるという主張をしました。
判決ではパン田さんの主張を認めず、
・パン田さんが『塩釜レール入』を知っていて
・反対の意思表示をしていなかった
のであれば、商慣習である『塩釜レール入』が適用されるという判断をしました。
関連条文は?
第92条
法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。
第533条
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。