平成6年5月31日 執行分付与に対する異議事件 最高裁 第三小法廷判決
*実際の事例は、パン田ネーチャーとカラランスの間で最初に裁判手続きの中で和解がされており、カラランスが和解調書に基づき強制執行手続きのために執行文付与を申し立て、これに対してパン田ネーチャーが異議申し立てをしたというものです。
ポイントは?
この事件は、民法130条の
「条件が成就することで、不利益を受ける人が、条件成就をわざと邪魔したら相手方は条件を成就したってことにしていいよ」
という規定が論点となっています。
民法には上記のとおり、「邪魔をしたら成就」とは書いてあるのですが、その逆の「条件が成就することで、利益を受ける人が、わざと条件を成就させた」ときにどうなるかは規定していないのです。
*今後予定されている、民法の大改正において今回のような逆の場合についても規定されるようです。
判決では、こういった場合は民法130条を類推適用して、「条件は成就しなかったことになる」と判断しました。
関連条文は?
第130条
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。