平成24年3月16日 第三者異議事件 最高裁 第二小法廷
ポイントは?
もし、売買で土地を買って所有権を手にいれた場合は、その土地に設定されていた抵当権はそのまま付いてきます。ところが、取得時効で不動産を手に入れたときは、抵当権は消えてしまうのです。
しかし、今回の事例ではちょっと問題がややこしくて…
・取得時効で土地を手に入れた
↓
・元の持ち主が抵当権を設定した
↓
・また取得時効が成立した
ということなのです。
判決では、こういった再度の時効取得を認めて、抵当権も消滅してしまうと判断をしました。もしこれを認めないとなると、いくら長期間土地を使っていても、抵当権がずっと消えないままというのはおかしいというのが理由とされています。
ちなみに、今回の事例はハムちゃんは自分が買った土地を時効で取得していますが、自己物の時効取得は認められていますので、合わせてこちらも確認しておきましょう。
関連条文は?
第162条
1.20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2.10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
第369条
抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。