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昭和40年6月30日 物件引渡等請求事件 第二小法廷
*実際の事例では、売買契約時の保証範囲の特約の有無等について審理させるため、破棄差戻しとしています。
ポイントは?
保証人がどこまで責任を負うべきなのか?というのは民法447条に次のように書かれています。
「保証人は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものに責任を持ってね。」
この言葉通りに読めば、マンガの事例のような売買契約が解除されたときの、原状回復義務についても保証人は責任を負うことになりそうな気もします。
しかし、過去の判例(大審院大正6年判決)でこれは否定されていました。なぜかというと、原状回復義務は本来あった債務が消滅した結果、生まれたまったく別の債務だというのがその理由とされています。まったく別の債務について保証人が責任を持つのはおかしいという訳です。今回のマンガの事例でもやはり同じ結論となるのかどうか?ということで争われたのです。
判決では、過去の判例を覆して保証人の責任は原状回復義務にも及ぶとしました。マンガの事例のような売買契約で、物を引き渡す売り主側を保証する場合に保証人に期待されるのは、物を引き渡すことの保証というよりも、物を引き渡してもらえなかったときの損害への保証という側面が強いことから、損害賠償義務だけではなく、原状回復義務についても責任を負うべきだと判断しました。
ちなみに、特約で「保証人は原状回復義務を負わないよ」などとしていれば保証人は当然原状回復義務を負わないことになります。
関連条文は?
第447条
1.保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
第545条
1.当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2.前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3.解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。