平成11年11月29日 供託金還付請求権確認請求事件 第三小法廷
ポイントは?
まず、マンガの事例の前提の話として、債権というものは譲渡することが出来ます。
ただ、このマンガの事例では譲渡される債権がまだ発生していなくて、将来発生するものだったのです。将来発生する債権というのは、その債権が発生する可能性というのは高かったり、低かったり色々です。そして、今回は債権が発生する可能性が低い場合にまで債権譲渡を有効としていいのか?ということで争われたのです。
判決では、債権発生の可能性が低いとしても債権譲渡を有効と判断しました。ただし、どんな場合でも有効という訳ではなくて…
- パン田さんの資産状況や、契約内容、経営状況を総合的に考慮して、契約期間の長さ等がパン田さんの営業活動に対して社会通念に照らして、相当とされる範囲を著しく逸脱する制限がある場合
- 他の債権者に不当な不利益を与える場合
以上のどちらかに当てはまるような場合は、将来発生する債権譲渡の効力が否定される場合もあるという判断もされています。
基本的には債権発生の可能性が低くても、債権譲渡はOKとなりますが、例外もあるということを合わせて覚えておきましょう。
関連条文は?
第466条
1.債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2.前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。