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『債権譲渡の対抗要件の構造』をマンガで解説。 債権の譲渡日が同じ場合はどうなる?

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『債権譲渡の対抗要件の構造』解説マンガ1ページ目

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昭和49年3月7日 第三者異議事件 第一小法廷

*実際の事例では、ハムちゃんが譲渡した債権が貸金であるかどうかは不明です。 

ポイントは?

 パン田さんがハムちゃんから債権を譲渡されたことを、債務者(牛田さん)と第三者(カラス田さん)に対抗するためには、譲渡人(ハムちゃん)からの“確定日付のある”通知か、債務者(牛田さん)からの“確定日付のある”承諾が必要となります。

 

 今回の事例では、債権を譲渡されたパン田さんが、ハムちゃんと連名になっている債権譲渡証書の確定日付と、カラス田さんの仮差押えの通知が同じ日だったことから問題になったというものです。

 

 パン田さんが持っている債権譲渡証書の確定日付とカラス田さんの仮差押えが通知されたのは同じ日ですが、債権譲渡証書のほうが1時間早く牛田さんの手に渡っているのです。債権の譲渡が有効となると、ハムちゃんは既に債権を手放しているので、カラス田さんは当然存在しないハムちゃんの債権を差し押さえることは出来ません。

 

 こういった状況で民法に明記されている通り、“確定日付”だけで優劣を判断するのか?牛田さんに通知された時間も含めた日時で判断するのか?ということで争いになったのです。

 

 判決では確定日付のある通知が債務者(牛田さん)に到達した日時で優劣を決めるという判断をしました。つまり、確定日付のある債権譲渡証書を先に牛田さんに渡した、パン田さんの勝ちという訳です。なお、通知をする場合だけではなく、確定日付のある承諾を債務者(牛田さん)がしていた場合では、その日時の先後も優劣を判断する基準となります。

 

関連条文は?

 

第466条

1.債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2.前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

 

第467条

1.指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

2.前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

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