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『指名債権の二重譲渡と準占有者への弁済』をマンガで解説。 劣後譲受人は準占有者になるの?

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『詐称代理人と債権の準占有者』マンガ1ページ目

『詐称代理人と債権の準占有者』マンガ2ページ目

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『詐称代理人と債権の準占有者』マンガ10ページ目

『詐称代理人と債権の準占有者』マンガ11ページ目

昭和61年4月11日 運送代金請求事件 第三小法廷 

ポイントは?

 マンガの例では、債権譲渡と債権差押えが競合してしまって、若干ややこしくなっていますが、単純に債権が二重に譲渡された場合と同様に考えてしまって大丈夫です。

 

 まず、債権譲渡が二重にされた場合の優先関係というのは、マンガのように債権譲渡通知書を送るなどの対抗要件をどちらが先に得るかということで決めることになります。この優先関係というのは、パン田さんと牛田さんの間でのことで、パン田さんが先に債権譲渡通知書をハムちゃんに送ってもらっているので、牛田さんに対して優先するということですね。

 

 問題となったのは、カラス田さんが優先関係で負けちゃった牛田さんに返済をしてしまった場合はどうなるのか?という部分になります。

 

 カラス田さんは、牛田さんが債権の準占有者だとして有効な支払いになるという主張をします。パン田さんは、優先関係は既に決まっているんだから、準占有者への支払いでOKっていう主張自体がおかしい(つまり、債権の劣後譲受人は準占有者にあたらない)と言っているのです。

 

 判決では、牛田さんのような債権譲渡の優先関係で負けちゃった人(債権の劣後譲受人)も準占有者にあたると判断しました。しかし、準占有者として返済が有効と認められるためには、「債権譲渡の対抗要件に瑕疵があるためその効力を生じないと誤信をしてもやむを得ない事情がある場合」などの本当の債権者であると信じたことに過失が無いことが必要ともしました。そして今回のケースではカラス田さんが牛田さんを信じたことには過失があるとして、カラス田さんの牛田さんに対する返済は有効とはしませんでした。

 

 最後のほうで勝ち負けが二転三転している印象もありますが、結論部分である“債権の劣後譲受人も準占有者にあたる”という部分を覚えておくようにしましょう。

 

関連条文は?

 

第467条

1.指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

2.前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

 

第478条

債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

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