昭和36年11月21日 土地所有権確認等請求事件 第三小法廷
*実際の事例では、ハムちゃんからカラス田さんに別の土地も売却されており、そちらも同じようなトラブルが発生しています。
ポイントは?
土地の売買契約では、メインとなるやり取りは土地を引き渡すことと、その代金を受け取ることになります。そして、サブ的なやり取りの一つとして問題となったのが、今回の固定資産税の負担となります。
まず、メインとなるやり取りのことを契約遂行に必要不可欠なものとして“契約の要素”と言います。そして、サブ的なやり取りの部分を“付随的債務”と言います。
例えば、契約の要素となる土地の代金を支払ってもらえないときは、債務不履行に基づいて契約を解除することが可能になります。土地と代金を交換するというのはどう考えても、契約のメインとなる部分で契約の要素になるということですね。
今回の事例では、契約のサブ的な位置づけでしかない付随的債務を相手方が果たさない場合に、契約解除を出来るのか?ということで争いになったのです。
判決では、付随的債務が果たされないとしても契約解除は出来ないという判断をしました。付随的債務は契約の目的達成に必要なものではないという考え方から、契約解除は出来ないとしましたが、特段の事情がある場合は別という見解も示しています。
関連条文は?
第541条
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。