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平成7年9月19日 不当利得返金還請求事件 第三小法廷判決
ポイントは?
この事件に先立って「ブルドーザー事件」と呼ばれる出来事がありました。ブルドーザーを借りている人の依頼でブルドーザーを修理したにも拘わらず、修理代金の回収が不可能になり、修理したブルドーザーは所有者に売られてしまったのです。これに対して、裁判所はブルドーザーの所有者に対して不当利得があるとして、修理代金の支払い義務があると判決を出しました。こういった第三者の利益になった場合に、第三者に金銭を請求する権利を転用物訴権と言います。不当利得の一種でもあります。
今回のマンガの事例も、ブルドーザー事件と同じようなものなのですが、違う点としてはパン田さんが、ハムちゃんから受け取れるはずの権利金(敷金)を受け取らないことと引き換えに、改修工事の費用を支払わないと合意していたことです。
判決では、パン田さんが本来受け取るべき権利金を免除したことから、利益を得た(ビルが改修工事で綺麗になった)と判断して不当利得とは言えないと判断しました。パン田さんの得た利益が不当利得と言えるためには、パン田さんが何の対価も負担していない場合に限定されるということです。今回の事例では、ビルが綺麗になったことによってパン田さんが得た利益は、パン田さんが権利金を免除したことによって得られたものであるのだから、法律上の原因がある利益とされたのです。法律上の原因がある利益であれば、当然に不当な利得とは言えません。
関連条文は?
第703条
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。