■ブログ版ではここから結末部分は非公開となります。
判例マンガの全編はこちらで見れます♪
<androidアプリ版>
➡お得な買切版!
androidアプリ版は全判例収録でお得!
<note版(iphoneユーザー向け)>
*iphoneユーザーはnote版をどうぞ!
*note版ではこの判例は「親族・相続編」に収録されています。
<Kindle版>
・
*現在、この判例が含まれる「親族・相続編」Kindle版は発売されていません。
昭和40年6月30日 夫婦同居審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件 最高裁 大法廷決定
ポイントは?
民法には「夫婦は同居しないとダメだよ」と同居を義務付ける規定があります。
マンガの事例では、別居を断られたパン美さんが、夫のパン田さんとの同居を求めて家庭裁判所に審判申立てを行っています。そして、審判で同居することを命じる審判が出たのです。
ところが、夫のパン田さんは審判が非公開であり、口頭弁論(対審)も行われないことで、憲法で規定されている「裁判を受ける権利」などが侵害されていると訴えたのです。憲法には国民に対して裁判を受ける権利を保証していて、更に裁判は公開で行うことが明記されています。
決定(審判に対する特別抗告事件なので「判決」ではなく「決定」となります)では、同居の審判は夫婦には同居する義務があることを前提にして、その具体的内容を定めるもので非公開の審判であっても憲法に抵触するものではないと判断しました。
どういった問題で公開の法廷で争うことが必須になるのかというと、お互いの権利と義務に争いがあるような場合に、お互いの権利と義務を確定させるような場合には公開の法廷で裁判をする必要があるとしています。夫婦に同居義務があるのは民法にも明記されていることで、その部分で争いがある訳ではありません。ところが、例えばお金の貸し借りでの争いとなると、実際にお金の貸し借りがあったのか?金額はどうなのか?という部分で争いがあったりする訳で、こういったことは公開の法廷で裁判をする必要があるとしたのです。
ちなみに、別決定となりますが、同居の審判以外にも婚姻費用分担や遺産分割事件なども審判で判断されることになるのは合憲とされています。
関連条文は?
第752条
夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
<憲法>
第32条
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第82条
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。