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昭和37年8月21日 納品代金請求事件 第三小法廷
*実際の事例では、高裁へ破棄差戻しとされています。
ポイントは?
カラス田商会への代金の支払いは普通に考えれば、きちんとカラス田商会自身に支払わない限り、消滅しないと考えてしまうと思います。
ところが、民法には“お金を請求する権利を持っているように見える人=債権の準占有者”に対しての支払いでも、債権が消滅するとされているのです。
典型的な例としては、債権の譲渡を受けたとされる人がいたとして、債権譲渡が無効になっていたようなケースです。このような場合に、債務者側としては「債権譲渡を受けたんだから支払え!」と言われて、書類等がきちんと揃っていれば払ってしまっても仕方が無いと言えます。つまり、こういった仕方ない場面の債務者を守る制度としてあるものなのです。
しかし、マンガの事例ではハムちゃんは、カラス田商会の代理人でも無いのに、代理人のフリしていたというケースです。準占有者というのは“自分の権利を行使する場合”だけという考え方もあったため、準占有者の定義について争いになってしまったということです。
判決では、代理人を詐称する人物も準占有者に含まれるとしました。となると、パン田さんの弁済が有効とされてしまいそうなところですが、判決では更に準占有者への弁済が有効となる条件として“善意+無過失”を要求したのです。そのため、支払請求書受理通知書がパン田商事の社員が偽造したものと考えられるため、パン田商事に過失があったとして、準占有者への弁済は有効とはされませんでした。
関連条文は?
第478条
債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。