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『中学生の犯罪と親の責任』をマンガで解説。 責任能力ある未成年者と監督義務者の責任はどうなる?

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『中学生の犯罪と親の責任』解説マンガ1ページ目

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昭和49年3月22日 損害賠償請求事件 最高裁 第二小法廷判決 

ポイントは? 

 未成年者の不法行為(マンガの事例では犯罪)によって被害を受けた場合は、加害者となる未成年者に損害賠償請求したとしても、そもそもが支払い能力が無いという場合が多いです。そこで、未成年者である加害者本人だけではなく、親の責任も問えるのか?ということが問題になってきます。

 

 仮に未成年者が小学生などの幼い子どもの場合は、「親が第三者に賠償するんだよ」と民法に規定されています。そのため、子どもに責任能力が無い場合については、親に賠償してもらうことが出来るのです(ただし、親が監督義務を果たしていた場合などは、親も責任を負わない)。

 

 ところが、マンガの事例は未成年者とはいっても、中学3年生で明らかに責任能力がある状態でした。

 

 民法には「親は、責任を取れない子どもが第三者に与えた損害を賠償するんだよ」と書かれているため、ハム男さんは「責任を取れる子どもの場合は、親の責任は無し」と主張して争いになったのです。

 

 判決では、未成年者に責任能力がある場合であっても、不法行為と親の監督義務違反との間に相当な因果関係がある場合は、親にも不法行為責任が成立して損害賠償責任を負うと判断しました。

 

 ハム男さんの場合は、家計をかえりみないで酒を飲んで、子どもを叱りつけたり、ハムちゃんがぐれていった様子が明らかだったのに、適切な措置を取らなかったなどの事情がありました。ハム男さんが親としての監督義務を果たしていなかったことと、ハムちゃんが犯した不法行為には相当な因果関係があるとされたのです。

 

 マンガの事例は殺人にまで至ってしまったという極端なものですが、万引きなどの窃盗行為や、傷害・暴行などの犯罪を子どもが犯してしまった場合も親の責任は同様になります。

 

関連条文は?

 

第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

第710条

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

 

第712条
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

 

第714条
1.前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2.監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。

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