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平成10年5月26日 約束手形金請求事件 第三小法廷判決
ポイントは?
契約というのは通常は口約束でも成立しますが、お金の貸し借りをするような契約(消費貸借契約)に関しては要物契約といって、実際にお金のやり取りが発生しないと成立しません。マンガの事例では、パン田さんは第三者の牛田さんに借りたお金を振り込むように指示しているのですが、こういった場合でも要物契約の要件は満たすことになりお金の貸し借りの契約は成立することになります。
問題となるのは、お金の貸し借りの契約が取り消された場合に、誰が利益を得たことになるのか?という部分になります。
判決では、お金を借りた人が強迫を受けたことにより第三者に借りたお金を振り込むように依頼したような場合には、特段の事情があるとして、お金を借りたパン田さんは利益を得ていないと判断しました。利益を得ていないということは、不当利得が無いということになりカラス田さんはパン田さんに不当利得返還請求をしても認められないことになります。ただし、強迫を受けていたなどの特段の事情がない場合は、お金を借りた本人がお金を受け取らず第三者に交付させたとしても、お金を借りた本人が利益を得ていることになるともしている点に注意が必要です。
関連条文は?
第703条
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。