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昭和44年12月18日 土地建物所有権移転登記抹消登記手続請求事件 最高裁 第一小法廷判決
*実際の事例では、パン太さんとパン美さんは離婚をしています。また、実際に売買されたのは土地と建物であり、その売買価格は不明となります。
ポイントは?
民法は夫婦に対して、どちらか一方が日常家事で第三者と契約(法律行為)をした場合は、関わっていない側も責任を負うと規定しています。日常家事と言うと分かり辛いですが、家族の生活に関わるものと考えれば分かりやすいでしょう。
そして、日常家事に関することは夫婦は共に、相手の代理権を持っていることにもなります。関わっていない側も責任を負うということは、実質的に代理をしているのと同じという理屈になる訳です。
マンガの事例では、妻の土地を夫が勝手に売ったというもので、買主のカラス田さんは夫婦には日常家事に関する代理権があることから、その権限を越える部分について表見代理が成立すると主張していたのです。
判決では、日常家事に関して代理権があっても、その範囲外のことをした場合にまで表見代理は基本的には成立しないと判断しました。表見代理が成立する場合としては、カラス田さんが土地の売買について、日常家事の範囲内と信じることについて正当な理由がある場合になるとしています。土地を売ることが日常家事に含まれないのは当然のことですが、カラス田さんが日常家事に含まれると信じるような正当な理由も無いので表見代理は成立しないということになった訳です。
夫婦の日常家事に関連して簡単に表見代理を認めると、夫婦それぞれがもつ固有の財産も処分されやすくなってしまって、それぞれの権利を守ることが出来なくなるという考えから以上のような結論になったのです。
関連条文は?
第109条
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
第110条
前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
第761条
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。