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『遺産分割と利益相反行為』をマンガで解説。 複数の子どもがいる場合は特別代理人が必要なの?

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『遺産分割と利益相反行為』解説マンガ1ページ

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昭和49年7月22日 登記抹消等請求事件 最高裁 第一小法廷判決 

ポイントは? 

 子どもが未成年で、いろいろな契約(法律行為)をするときは基本的には親が法定代理人として代わりに手続きをします。でも、親と子どもで利益相反する場合に、親が子どもの代理人になれないのは理解しやすいと思います。

 

 しかし、今回の事例は子どもが複数人いる場合に、親と子どもの利益相反が問題になっているのではなく、子ども同士の利益相反が問題になっているのです。民法には次のような規定があります。

 

「親権者が複数の子どもに親権を行うときは、一人の子と他の子との利益が相反する場合は、親権者は他の子のために特別代理人を選任する手続きしないとダメだよ」

 

 つまり、子ども同士で損をする子どもが出ないように配慮しないといけないよということです。

 

 マンガの事例で、仮にパン斗くんだけが遺産を相続してパン菜ちゃんが相続しないとなると、二人の子どもの利益が相反しているのでおかしいと思います。ところが、子どものパン斗くんとパン菜ちゃんはお互いに遺産を相続していないので、子ども二人の間で利益相反をしていません。

 

 パン次郎さんは結果として利益相反していないとしても、利益相反する可能性があったのであれば、二人の子どものいずれかに特別代理人を選任する必要があったと訴えたのです。 

 

 判決では、結果として利益相反するかどうかは関係なくて、遺産分割協議は利益相反する可能性があるのだから利益相反行為に該当すると判断しました。

 

 というわけで、結論としては親権者であるパン美さんが二人の子どもの代わりにした遺産分割協議は、利益相反行為として無効になるとしました。追認があれば別とも指摘しましたが、それも確認できていないという結論です。

 

関連条文は?

 

第826条
1.親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2.親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

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