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昭和46年11月5日 土地所有権確認等所有権取得登記抹消登記手続本訴並に建物収去明渡反訴請求事件 最高裁 第二小法廷
*実際の事例ではハムちゃんから更に別人に土地の所有権が移っています。
ポイントは?
民法162条の時効取得の条文には「他人の物を占有」と書かれています。
そこで、ハムちゃんは自分が手に入れるまでは、パン田さんが所有していた土地なんだから時効は進行していないんだと主張した訳です。
裁判所は、このような二重売買のときは、二重売買されてハムちゃんが登記をしたようなときは、パン田さんは最初から所有権は無かったんだという考え方を示しました。
つまり、売主であるカラス田さんの元に所有権は残っていて、二重売買でハムちゃんに売った時点でハムちゃんに所有権が移るという訳です。
一度パン田さんに所有権が移って、パン田さんからハムちゃんに所有権が移るというのは、法律の理屈としておかしなことになっちゃうのですね。なぜかというと、売主はカラス田さんなのですから、所有権は売主であるカラス田さんからハムちゃんに移らないといけないからです。売主でも無いパン田さんからハムちゃんに移ることは無いってことですね。
以上のような判断から、時効の進行はパン田さんが土地を占有したときから進行するとされました。
ちなみに、判例上は「自己所有物の時効取得」でも紹介したとおり、自分の物であっても時効取得は出来るとされているので、仮にパン田さんに所有権があったとされたとしても、時効取得は完成していたのではないかと考えられます。
関連条文は?
第162条
1.20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2.10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。